先々月の最後の日から延べ5回ほど来院してくれている患者さん、前かがみや下の物を取ろうと手を伸ばしたときに起こる腰の痛み、靴下を履く片足立ちで前にかがみ片足を曲げる姿勢における腰の痛み、自転車をこぐときに鼠径靭帯部に痛みがある、という悩みです。
いずれもご自身の都合のつく日ということでご予約を取られるのですが、前回の時も、その前の時もあまり間隔が開きすぎることは、「お互いに良いことじゃありませんよ」、と説明させていただいたんですが理解してもらえていないようです。
愚痴というわけではないんですが、施術という行為を考えてみてください。医療には様々あります、その中でお薬の投与も医療ですし、低周波を行う行為も医療です。
お薬は、処方してもらった分だけ毎日何回か決められた分を飲み続けます。
施術も同じ医療行為です。できる限り続けて通院することが必要だと考えているのですが、薬と施術は別物と考えている人たちが多いようです。
ものすごく残念なことなのですが、日常生活動作によって大抵の痛みは起きてしまっています。つまり習慣の動作を修正するには、繰り返すことも必要になるのです。もちろん自分でこの体の使い方が悪いから修正しようとすることができれば越したことはありません。
関節のズレ、骨格の軸ズレ、これらはきっかけはほんのわずかなものです、でも複数ある骨が作り出す関節の数は連動するだけでもたくさんあります。拮抗する関節も考えなければなりませんのでその倍で、そこに大きな痛みを発するところにズレや硬さ、ゆがみが重なることによって発生します。
人の体は部位ごとそれぞれが単独で動くことはありません、そのため、腰の施術であれ、背中の施術であれ顎の施術であれ、足首から行うことがとても多いんです。そのわずかなズレから動きの制限のかかった関節まで動かしていきます。
それとこの患者さん、やくひと月半で5回不定期で来られていて施術の形が想像できてしまうのか股関節を屈曲しようとすると勝手に曲げてきます。ズボンがひっかっかるのでというのですが、この動作は必然的に得意な動きへの退避行動なのです。これは、続けて来られている患者さんは回数を追うごとに少なくなり自然な関節可動ができるようになってきます。不定期の来院では、この行動が初めてのころよりも強くなってきます。
簡単に言ったら、風邪を治すために飲む「おくすり」は自分の都合で飲んで、なおりますか?
同じことだと考えてください、風邪は寝てれば治ることもありますが、早く症状を落ち着かせたいから病院でお薬を処方していただきに行きますよね。こういう腰痛も、入院するようにず~っと横になって休めるんであればもしかしたら痛みが引いてくるかもしれません。でも、普段のお仕事をしたり、あそんだり、いろいろ普段通りの生活に戻りたいと思って医療機関に来てくれるわけですから、その時は風邪と同じように、「おくすり」の代わりの施術なので続けて来院してもらうことが望ましいと私は考えています。結果的に早く普段通りの生活に戻れると思います。