最近はやり言葉のようによく耳にする反り腰、私は開業よりも前に、だから20年位前から反り腰と深腰という言葉を教わり説明の際に使っていました。それがどうした?といわれるかもしれませんが、冒頭でも書いたように流行り言葉のように反り腰だけが表舞台に立っています。
体の筋肉の役割として、大雑把に分けて曲げる伸ばすこの2パターンの動きを行います。筋肉の「ちから」バランスが保たれていることが正常、普通といわれる状態です。このどちらかが強くなったり弱くなったりしたときに均衡が崩れて支持力の不安定さを招き「危険」を察知した体内のシステムが痛みを発します。
反り腰と呼ばれる腰の状態は、背骨を前に曲げる筋肉が、背骨を後ろに曲げる筋肉に力バランスが負けた状態です。その力の差が生まれる最大の原因は疲労です。
反り腰だから「大腰筋を鍛えろ!」とか「腹筋を鍛えよう」「スクワットをしよう!」などと予防案を言う方がいますが、筋肉がつかれているのに、疲れが残っているのに、疲労を加算する行為が必ずしも良い結果をもたらすとは私は思いません。ただ、成長ホルモン分泌を活性化させるということにはつながるそうなので、完全否定はしませんが、施術に診えた方には、即刻筋トレは中止していただきます。
反り腰の場合骨盤の前傾が強くなったり、座った時の骨盤の垂直から後傾への傾くことができない、あるいは仰向けで寝た時、腰椎が布団からかなり浮き上がってしまう現象ですから、筋肉を断定せずに骨盤の動きをまずスムースにします。一応構造上骨盤は軽く前方に傾いています。これは四足動物であった証だと私は思っています。
骨盤の回旋運動の効率化が確保できてからは、大腿を緩めるのか、体幹を整えるのか中心に施術するところを観察し、かつ、患者さんの意見を尊重しながら最終的なトータルバランスの調整を行っていきます。
人には一人ひとり、許容角度があると思います。それに合致できるところまで施術できれば今後の健康状態も安定できる期間の継続が見込めると私は考え施術を行っています。
痛みがあってもなくても気になっている方は早めにご相談ください。気になるということは何らかの体からのサインですからね。