立っている姿勢や、歩いている姿勢など、私たちの生活の中の動きを考えると、足(脚)と体幹で、頭(脳)を中心に動いていると考えられます。
これを踏まえて施術を行っていくとなると、まず足の動きを他動的に動かした中で、患者さんが痛みを訴えたり、硬さが動きを制限したりしないようにするための何かを探る必要があると考えます。
とくに体幹の中で動かないと考えられる、「胸郭部(肋骨部)」も自発的には動かなくても、自然の動作で連動しなければなりません。
また、体を動かそうとしなくてもいろいろな原因で体には力が入ります、特にそれは年齢を重ね、いろいろな経験を積んできたからこその反応なんです。先日、ボクシングの中継をAmazonプライムTVで見ていたんですけど、応援していると自然にこぶしを握り締め、パンチを繰り出そうとするように体幹にも力が入ってくるのを感じていました。体が直接触れて体をこわばらせたり、バランスをとったりということではなく、間接的に映像を見てそのような反応になるのだから、私たちの体の変化は、現象として痛みが出ても、原因がわかるようなものではないと考えてしまいます。いや、原因を断定して、「これをやるから痛くなる」「この動きはしないように」「膝組んだりするから腰がゆがむ、痛くなる」というひとが、すごいなぁ、と思います。あっているかはともかく。
脱線気味になってしまいましたが、膝関節にねじれを作らないように足を回す時、それから膝関節にねじれを作って足を回す時、それぞれで同じように体幹がひっかかりなく連動することで、足と体幹ラインが連動できます。今は動かないといけないと考えていることを話しましたが、引っかからずに、ピクリともしない動かないような状態もまずいです。体がパートで分かれてしまっては、ジョイントとなっている一部に強烈な負荷がかかってしまいます。その場合は連動するようにするためのきっかけをさがしていきます。とはいえ、その場合は施術姿勢が仰向けですので、肋骨をさわり、骨盤に連動性の悪さがあるのか、顔の部位にこわばりのできる部位があるのかを観察します。
頭を中心に動いているということは、神経の連続性を考えていますので、情報の伝播が悪いために筋肉が力み、連絡不全となります。
何が原因でということは僕はできませんので極力、施術したこと、施術後の説明を聞かれたら答えるようにしています。何がどうなっていたとか答えていいものかどうかいつも考えさせられてしまうからです。捻挫、挫傷の処置なら、「整復して副子と綿包帯での固定をします、包帯除去は3~4週間の予定です」ということは整復前に説明できるのですが、ほとんどが原因不明、慢性痛です。
歩いていて痛みが出た、座ろう、立ち上がろうとして痛くなった、というよりも座る時が痛いあるいは時々痛い、立ち上がろうとしたとき痛いときもあるなどという現象は聞けるんですが、気が付いたらということがほとんど。痛みやしびれは原因が無くても何かをきっかけに出てしまうのです、これは身を守るために発動しているサインです。
レントゲン、CT、MRIなど画像を見ることは病院でできます、はたしてそれが原因の追究につながるのかは疑問に思うところもあります。もちろん現象はわかります、たとえば分離症なら骨折線が見えるとか、椎間板ヘルニアなら髄核が脱出していると。でも実際にそれが今の痛みの原因なのかはわかりません。施術で、膝、股関節、肋骨、背骨の連動を確保すると痛みやしびれが現れなくなることがたくさんあります。
やっぱり一人ひとり同じように痛みが起きているわけではないので、平均の施術はしたくありません。オンリーワンの施術をして一人一人のお身体を大切に扱いたいと考えています。その扱う中で、考え経験で培った観察力と、触覚で足と体幹の連動を効率よく整え、その人自身の持つ力をパフォーマンスよく発揮できるようにして、痛みが出てこないような体の環境づくりを支えたいと日々考えています。
お体のことでお悩みだったり、お近くの人がお体のことでお悩みでいらっしゃった場合、いつでもお支えする準備はできていますので、お電話ください。