ひとりの体は、みんなと同じではない!
という私の思想から。
常識で施術をすると、整骨院や接骨院では、電療(低周波などの医療用電器を用いる方法)、罨法(温めたりする温罨法や、冷やしたりする冷罨法)、揉寧法(揉んだりする手技施術)軽擦法(さする、こする手技施術)などの後療 、この3点セットです。
そこに、固定、負傷部位の整復があります。
保険療養の施術はこの常識の最低限で行われます、少なくとも私はそう考え説明し、施術にあたっています。
ケガの場所や、ケガの仕方、それに何より、私たちの体の大きさや重さなどの身体(からだ)つきが違います。
私たちの体から発せられる危険信号、「痛み」はケガに限るものではありません。
ケガはもとより、そして病気、それから疲労物質がたまってしまって筋肉の活動力が低下するとき、また日常生活が普段通りにできない時などです。
私たちの生活は日々進化して、いろいろな便利な道具が出てきています。
そんな道具でも似ていても内容が違ったりすることが多いです。
つまり同じであって違っています。
私たちの体もほぼ似ている骨格に、筋肉の付き方だったり、皮膚の色や体毛の生え方、目の開き方や唇の厚さなど挙げればきりがないほどに、人それぞれのパーツが異なっています。
以前は電療の施術で、低周波なんかでは「ビリビリ感じたら教えてくださいね」とスイッチを入れボリュームを上げる前に必ず声がけをしていました、まず、ここでも人それぞれなんです、電源がカチッ!とはいっただけで痛いという人もいれば、ボリュームをマックスまで上げてもあんまり感じないという人、色々いました。
揉寧法でも、軽く揉んでいるのに「痛い」という人、指先が痛くなるくらい強く揉んでちょうど良い人、さまざまです。
でも、施術する側はいろいろな人を診ているのですが、施術される側は自分自身しか分かりません。
そのころ私自身も、常識の考えの中にいたので、「これぐらいが普通なんだけど、全然感じていないんじゃない?」「え~、そんなに強くしないとダメ?」と中間の強さよりも違いのある人達、として考えてしまっていました。
今の施術方法に出合って、さらにそれを今でもいろいろ考えるようになって、施術の勉強を時々振り返ってみて、やっぱり一人一人に向き合うためには、常識の施術は違う!ひとりひとり違った力の方向や、「痛い」と訴えるところだけをみるのではなく、全身から感じる体のゆがみを整える必要性を感じています。ここまでいろいろ考えるようになったのは、手技療法だからだと思っています。
以前、「整膚」という手技に出合ったことがあります、学会の講演の一つでした。発案者の先生が徐堅先生といいます。その発想が今までの鍼灸だったり指圧の考えは、体に皮膚表面から圧を加えて刺激する。
これが適用されない患者さんがいたそうです、怖がったり痛がったり、施術後の症状の改善がみられなかったり。いろいろと悩んだときに生まれた発想が、押す圧刺激ではなく、引く圧刺激、つまり、皮膚を引っ張ることによる、経絡穴の陰圧刺激が体にどのような影響を及ぼすか、ということでした。
常識を破ったのです、いろいろ間違っているとの指導もあったそうですが、貫きその陰圧皮膚刺激を研究し「整膚」として施術法を確立したのだと話されていました。
今では結構広まっている経絡療養の方法です。
一人ひとりに向き合う施術をしていたから、このようなスタイル施術を作ることができました、徐堅先生は。
私もPNFを学んで、研究し「神経筋整復法」としてセミナーを開いていただいた「春日スポーツ医学研究所」の所長先生、春日啓先生のもとにセミナー研修生として勉強に行った、柿沼幹男先生(師匠)の復習に参加させてもらってから、私自身もセミナーに参加させてもらえて、開業直前までの8か月間、春日スポーツ医学研究所に住み込みで春日啓先生から直接指導を受け、勉強できたからこそ、患者様と向き合い日々これからもですが研鑽して、一人一人に向き合える常識を常識としない施術を目指していけるんだと思っています。
この施術に出合えた縁を大切にして、さらに来院していただいている患者様の縁、そしてこのホームページを見ていただいている人の縁、そしてこのブログを最後まで読んでくれている人への縁を大切に、常識に縛られない施術をこれからももっともっと、勉強して実践していきたいと考えています。
常識が悪いわけではないのですが、常識で変化が出ない人や、常識の固定期間を短くしたいという要望などから、常識をはずした考えで施術をする整骨院があっても良いと考えてます。