足が浮いている感覚が戻る、いや戻さなければなりません。感覚神経のつまらせる原因、筋肉のゆがみ(私の考えです)で押しつぶされる、あるいはよじれてしまっていることです。だから、これらの要素を整えることで、地に足が着いている感覚に、そして力強くまた動き出すことができると考えています。
痛み、しびれと違って、足が浮いているような「フワフワ」して歩くのが怖い。そんな悩みを、打ち明けられない人がいるかもしれません。実際に悩まれている症状は何でも教えてください。普通ならば何も気にならないはずです。違和感があるということは、体に必ずいつもと違う変化が起きています。
しかし、これを聞くと大抵の医療従事者は運動不足ということで、散歩などの歩行運動を指導してしまいます。実際、できる人はやればよいと思います、でも歩くのが怖いのだから無理して私は歩く必要はないと思っています。その代わり、膝の抱え込みや、足を伸ばして座った状態から体を前に倒す、いわゆる前屈(ぜんくつ)のストレッチはこまめにすることの指導はします。それだけでも、もしかすると足が地面につく感覚が戻るかもしれません。
私たちは脳で判断し、動くというわけですが、脳で判断する前に情報を入手するわけです。つまり五感(ごかん)とよばれる、触覚(手や足もそうですが全身の皮膚、筋肉が持つ感覚器です)味覚(みかく:味の感覚器)、視覚(しかく:目、見る感覚器)、嗅覚(きゅうかく:ニオイの感覚器)、聴覚(ちょうかく:音の感覚器)で情報を収集し脳や脊髄に情報が届け、判断し運動神経で筋肉を動かすように指令を送るのです。
地面に足が着いているか不安定な感じを受けているということは、その触覚からの情報を必要量届くことができていない状態ということになります。つまり、どこかでその神経の働きを抑えてしまっているのです。たとえば、ホースを踏んでしまうと水の出が悪くなるのと同じです。きっと、どこかに感覚神経の束(たば)をつぶして伸ばしてしまっているところがあるはずなんです。わたしはそれがゆがんでしまった筋肉が原因だと考えています。そのゆがみをいろいろな方向に動かしたり、また動かす角度やスピードを変えてみたり、私たちの生活の中であらゆる動きに対応するのと同じように、疑似的にその角度やスピードで動かしながら関節と筋肉の協調を整えて施術していきます。