頭、痛いというのも困りもの。時間がたてば落ち着く、けれどまた出てくるかもしれないという不安が、痛みが繰り返されると、記憶にインプットされてしまいます。しかし、それをどうしたら対処できるか、またそこに起きている頭の痛みがどのような状況であるのかということがとても伝わりづらい、と思います。
痛みは休んでいると、落ち着いてしまいます。しかし積み重ねていくと、痛みを起こしている根本から、別の症状や現象が上乗せされることで、同じ部位、あるいは考えてもみなかったようなところに痛みを作ることがあります。わたしは安静で傷みが根本から抜けるとは考えていません。
傷と同じです、皮膚をこすって傷める擦過傷でも程度によっては、元の組織に戻れず肌の張りや色味が変わることが良くありますよね、お歳を重ねるとしみや黒ずみに、ということを言われるエステティシャンさんもいらっしゃいます。つまり傷はなるべく小さく、元の組織に戻れるようにしたいと考えるのが一般的です。頭痛も体の中の何らかの組織の傷みにおける現象ですから、安静で過ごしていても元の組織ぐらいまで働きが整うか、と問われることでしょう。
先日、直接頭痛の相談を受けたわけではないのですが、膝の施術をしている人で、頭痛が出たので翌日に変更して、当日のキャンセルをしてほしいと連絡を受けていたので、来院されたときに膝を施術するにあたってもしかしたら膝の症状は、その頭痛に関係もあるんじゃないかと探りを入れたのです。するとこの膝の痛みは出るべくして出たものだと分かりました。
まず、仰向けになってもらって施術をすることが多いのですが、首に手を回すとストレートネックよりも後弯している、座らせてみると円背、お腹を触ると施術開始には特になかったものが徐々に整体を進めるにつれ、局所的に硬いところが浮上して、足の裏を触ると、左の母指球付近が使い古したスポンジのような弾力が抜けてしまっている状態、となると横隔膜もかなり硬くなっているし、頭部の水分の流れも滞っているようになっているのです。つまり、どこの働きが先に機能低下を起こしたかは不明ですが、ストレートネックで円背になっていることからもわかるように脊椎の支持筋力は低下していて下肢の筋力低下も本来の物よりも低下されている状態。ゆえに膝の関節包の閾値の低下を起こして軸ズレを起こし膝が得に症状を起こしているということだと考えられるわけです。
そして時々頭痛を起こしているわけです。
これを膝だけで施術を繰り返しても重心線の狂いがある体を、日常的に使い続けることは、傷みの調整につながらないと判断したために全身・頭蓋からの整体へと思考を変えたということがありました。
まだ加療中なので詳しい結果の報告はできませんが、肩が痛い腰が痛い膝が痛いという場合においても、自分の身体が一つ一つのパーツでパーツがゆがんだと考えるのではなく、どこかしらに傷みが出たということは全身のバランスがゆがんだと考え施術をしなければなりません。
頭痛をお薬で抑えるのも一つの方法ですがこのように全身から体の歪みを調整して、整えてみることもお考え下さい。