ヤジロベー

私達の身体を構成する、左右の脚一対に、体幹に、左右の腕一対に、頭と分けたとする。

ヤジロベーは、オーソドックスな形は、1本の脚に、体幹、一対の腕、そして、アタマがありますが、基本一つのものとして固定されています。私達の身体のように、関節があるわけではないので。

しかし、私達が地球に立つという事と、ヤジロベーが面積の小さな台に立つのと、ほとんど同じことだと考えています。だからこそ、どこかに歪みが生じると、私達の体は「痛み」という信号を発しながらバランスをとっていくのです。安静にして痛みが落ち着いてしまうという現象は、歪みはあるもののバランスが取れるところが脳内で整理でき、必要に応じて一部の筋肉を硬直させるのです。これも長続きはしませんが、繰り返し歪みを大きくしながらも行われる自己防衛、自己修復という機能のなせるものだと思っています。

このままでいいわけはありませんがとりあえず考え方としては上記のとおりです。

さて、細かく考察していきます。

まず、一対の脚なんですが、左右対称的な作りをしています。これを最近の考え方では左右非対称と称するものがありますが、間違っていると私は思っています。考え方の話がそれました、スミマセン。

足首は指の骨、小さな足根骨とよばれる骨と指の骨と足根骨を結ぶ中足骨とよばれるほねが、片側全部で26個、その頂点に距骨とよばれる滑車の役割をする骨があります。

この骨の上にスネの骨が載り、その外側に腓骨がスネの脛骨を支えます。スネの骨の大腿骨と合わさる部分は平になっていて、大腿骨の脛骨に乗る部分は、楕円のような滑車型で足首も膝も常に前後左右のバランスを筋肉によってとっています。つまり、ここにヤジロベーの原理が働いていることとなります。

次に体幹ですが、骨盤の形成する一対の寛骨と仙骨は安定してしまっていますが、骨盤と大腿骨の骨頭はやはり不安定で、大腿骨の骨頭という言葉が当てはまるように丸い球体となっているため、ここもヤジロベーの原理ができているわけです。さらに、背骨の間にある軟骨は2種類存在していて、繊維輪と呼ばれる硬い軟骨と、髄核と呼ばれる柔らかな軟骨があり、この髄核がべアリングの働きとなっているのでこな上に乗る骨は不安定、また、ここでもヤジロベーができるわけです。この無数に存在する関節により、ジャンプなどの頭に向けた垂直方向の衝撃も前後左右にうまいこと力の分散をしていなしてくれます。

一対の腕は、前後左右に動かし体幹の傾きを整えるのにとても役立っています。

これらの役割の違った脚、腕、体幹にわずかでも歪みが発生してしまうと、手を加えない限り歪んだままのバランスを取るようになるので、左右非対称の腕や足になってしまったり、背骨が側湾してしまったりと変化が生じてしまい、そのキャパシティーを超えてしまった時安静では治まらない痛みを生んでしまうこととなります。

そうならないようにして欲しいので、「痛い」と訴えるところだけを固定したり、電気刺激を流したりすることはやめました。

私達の身体はヤジロベーが原理になってます、つまり、左右対称に筋肉、関節、そしてそれを動かす神経を整え合わせ必要があると考えています。

脊髄反射を整えるのと脳脊髄反射を整えることを同時にしなければなりません。調整することでまた左右対称に体が動かせるようになってくることで、筋代謝が上がり、痛みが出る必要の無い身体に、「ヤジロベー」のような柔軟な活動ができるようになると私はそう考えてます。

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