とても若い男性で、長年球技に携わってきている方が、
両方の股関節が痛い、ということで来院。
座り仕事に、ダッシュや長距離を走る球技を続けていて、
とても重要なストレッチングは、忙しさからなかなかできずにいたら、
歩くのにも支障が出るくらい痛みが出てしまったというのです。
仰向けになり、股関節に体重がかからない状態で曲げてみると、
ほんのわずかな角度で抵抗が出てしまいます。
次にうつぶせてもらい、股関節を後ろに曲げてみると、
膝がベッドから浮くか浮かないかのところで抵抗が出ます。
臀部や腰、大腿部を触ってみると指が押し返されるぐらいの強い緊張が入ってしまっています。
しかしこの症状は、股関節そのものが問題となっているわけではありません。
つまり股関節周囲、腰も臀部も、大腿部も膝も足首もこれらすべてにおいて歪みを作り、
骨盤周囲筋群とお腹周りの側屈筋群の働きが不仲になってしまい背骨を支えている筋肉群の、
支える力が弱くなってしまっているために、
不安定になってしまい、動き出すときにさらに不安定になり筋肉を緊張させ安定させようとしてしまっているために起きている、状態です。
関節を強い力で瞬間的にずらしたわけでもなく、
筋肉が断裂したわけではないのですが、
痛みは似たように起きてしまうものなんです。
結局「イタミ」は自己防衛のために危険信号として発しているものですから、
コリでも炎症性でも圧迫性でも同じように感じるものなのです。
まずは大きな関節の歪みとるべく、股関節を曲げ伸ばし。
せめて何の抵抗もなく90度は曲がらなければいけないということで施術開始。
それができるようになったら、後ろにそらす、15度以上は動かしたいということで、
ゆっくり優しく整体をします。
人によって反応がそれぞれですので、この方は初日はこれ以上追い込まずに、
整体を終了し、次回の施術に来院されるまで経過をみました。
2回目はまだ痛みがあるということなのですが、
股関節の屈曲が前回よりはスムースになっていたので、
今回から外に開いたり、うちに向けたりいろいろな角度に動きやすくするための調整と、
足首からの膝・股関節、仙腸関節、脊椎の調整も。
人によって施術や運動量のキャパシティーの差がありますので、
進行は人それぞれになってくるんです。
3回目に来院していただいたときには、
股関節の可動がスムースになっていて、
痛みの強さも軽減されて歩行時の違和感も気にならなくなって、
走りのときにだけ感じてしまう程度となっているので、
大きく関節を動かしながらの筋肉調整を施し、
順調に経過を追っています。
歩くときの傷みにはいろいろな歪みが起こることもありますしそうでないこともあります、
なるべく早く調整して自然な動きを取り戻しましょう。
歪みは蓄積しまうものです、
それは筋肉の機能なので悪いことではないのですけど・・・。
歪んだままだといろいろな体の変化が起きてしまいます。