日常生活の一番の運動は「歩行」だと、私は考えています。
その何気ない「歩行」は、何気ないため、
徐々にゆがんできていても気が付かないことが多いものです。
以前は、歩き方を観察して、あの人は股関節を傷めている、
とか、膝を傷めている、というような判断をしていました。
町中の観察でですけど・・・。
最近は傷めているという判断基準ではなく、
全身の動きを見て、動いていない体の部位を見て、
その原因の筋肉の劣化部位を探して、
観察をしています、それゆえ、同業の先生に、
「あの人、股関節が・・・・」
といわれても、返事では同調していますが、
実は別のことを考えてしまっていることが多いです。
それの派生で、歩き方の指導時に、
「つま先をついて、踵を上げるようにする、足踏みをしてみてください」
と指導していましたが、
ある程度できるようになったら、
「軸足にカラダを(体幹を)載せるようにして、足踏みしてください」
と指導するようにしてみました。
どうしても踵を上げるようにというと、
つま先立ちという行為に発展してしまい、
両方の踵を上げて「つま先立ち」
になられる人が続出します。
あるいは、踵をあげるといっても、
膝から挙げるという情報が頭の中で組み合わさり、
骨盤の動きを逆さにしてしまい、股関節、膝関節、足首の屈曲(正確には足首は伸ばすようになりますが、手のひら、足の裏を同じ向きにした時、曲げる屈曲の形になります)の連続を妨げる使い方になります。
つまり、骨盤が後ろに傾くので股関節は伸展(のばす)、膝関節は曲げてはいますが股関節伸展作用により膝の一部の筋肉が伸展しようとしているので、両方の力が加わってしまいます、足首は屈曲はできています、ここだけは間違っていませんが、問題は足の指も曲がろうとするため指が地面から離れます。
そうなったとき、軸足にしっかりと荷重がかかるようにすれば(腰を引かず)、
わりとみなさん、踵を上げる動作が自然にできやすいようです、そう確認できています。
その形と意識をキープして歩いてもらうと、
「行進」のように膝をあげるという動作が少なくなるように思えます。
膝は上げるものではなく、膝は曲がるものです。
膝が外向く人は膝を内側に寄せるのではなく、おしりの力を脱力するようにするのです。
つまり、軸足の土踏まずの上に全荷重が載るようにすると、
曲げる方の膝のお尻の筋肉は緩むはずです。
軸足の土踏まずの上に荷重がかかるようにしなければ、だいたい踵から小指側にかけて荷重が載り、体は外側に傾いてしまうので、それを阻止しようと親指で踏ん張ることが多いです、そのため偏平足とは逆の「凹足」という、甲高の足に固定されてしまうことが多いです。
踵は地面に対して外に倒れ込んでしまい、なお、その親指で地面をとらえようとする力がかかることが多いです。
だから踵に合わせると、足の先端は親指方向にねじられる「らせん変形」をしています。
もともとがきれいな歩き方を体得できているのかというと、
そんなことはないと思います。
ただ、疲労がいつも回復でき、痛みやゆがみが起きなければそんな指導はしません。
痛みがあって施術を受けに来てくれる人には、
より早く元の生活に戻れるようにアドバイスを兼ねて歩行指導をしています。
2~3回で終わってしまうような人にはこのような指導はしません。
聞かれればしますけど。
長年のキャリアのある足や股関節、そして膝などの悩みを抱えられて来院してくださる患者様に対してだけ、
ストレッチや足踏み、歩き方の指導をします。
でも、本当にきれいに関節が連動する体の使い方ができるようになると、
疲れにくくなりますよ。