いろんな膝の痛みがあります。
でもたいてい、階段を下りる時痛い、
立ち上がる時痛い、
歩く時痛い
ということがほとんど、だと思います。
膝は、主に脛骨、大腿骨で構成されていて、
膝蓋骨と腓骨が補助的に機能していると、私は考えています。
ただすべて、機能できるポジショニングをとらなければならないと思っています。
わずかにズレることで、膝が曲げにくくなったり、伸ばしにくくなったり、痛みが出たりします。
ただ最近特に感じるのが、
「膝のゆがみ」が起きているのは、
「股関節のゆがみ」、
あるいは「足のゆがみ」が原因
なのではないのか?ということです。
膝に着く筋肉で小さな筋肉は膝窩筋くらいのはずです。
足底筋も小さいのですが、膝の大きさから見てそんなでもないように思います。
足底筋は足の裏の縦アーチ(縦バネ)のための筋肉です。
もちろん足は、大きくない部位ですが、小さな筋肉が寄り添い、お互いにそれぞれの働きを協調しなければなりません。
股関節を動かす筋肉は、「大きな筋肉」「小さな筋肉」それぞれがあり調和しながらいろいろな方向に関節が動けるようになっています。
ただ大は小を兼ねる、というような考えもあり、股関節を動かす大きな、大腿四頭筋、大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋、大殿筋、中臀筋、大腰筋などがあり、
梨状筋や上双子筋、下双子筋、内閉鎖筋、大腿方形筋などは筋肉として小さく、大きな筋肉よりもあまり動きの中では重要視されていません。
もちろんこれらの小さな筋肉は股関節を外に開く(大腿骨を外方向にひねる)という機能が主になります。
ただ、股関節を前後に曲げたり、内外に開いたりする動きでは補助として働いているため、腰痛の症状の一つでお尻あたりに痛みが出ているものを、
梨状筋症候群と呼ぶことがあります。
大きな筋肉に比べて、小さな筋肉は疲労のキャパシティが少ないです。
補助的に働いても、主動作で働いても、筋肉の働きに違いはないので、疲労が使われれば溜まるわけです。
その疲労物質を筋肉内に滞らせてしまうと筋肉の本来の機能を低下させてしまい、
筋肉の体を支える、という機能を損なてしまうのを防ぐために筋肉を緊張させ、関節を緩ませないように固くなってしまう、
と私は考えています。
股関節の場合はその外旋筋群が、緊張状態になってしまうため股関節は外に開いて、膝や足が外を向いてしまうのを防ぐ機能が働き、
大腿骨の膝の部位を正面に向けようとするか、足首の向きを前に向けるために親指側のアーチを強くこわばらせて、
土踏まずの機能を落とすことをしてしまうと考えています。
また、浮足と呼び名の付く足や、偏平足、外反母趾など地面に足をついてもらえば、指はほとんどの場合地面に接しています。
つまり足の裏の緊張が、そのような形に作られるような筋肉の緊張を作っているんだと思います。
そして、長母指屈筋や浅指屈筋、足底方形筋の緊張も強め、足首には足首を伸ばそうというふくらはぎの緊張と、
足首の前の伸筋支帯というバンドの緊張から足首の捻じれを生み、
脛骨の膝の部位を外側に傾けさせているとみています。
どっちが先に起こったかは、来院時にはわかりません。痛みが出る状況は、膝の機能の限界が来たからです。
その形がいろいろあるわけです。
レントゲンなんかで確認されて変形しているとか、
膝の皿の軟骨が薄くなっているとか、
もともとの位置から捻じれが起きているわけですから、
骨の突出部も変わってしまいそれぞれの軟骨のぶつかるところができてしまった、結果です。
ユガミこそ整えなければ、軟骨のすりへりはおさまらないと考えています、たとえヒアルロン酸注射やコラーゲンを注入しても。
もともと軟骨を創ったり、骨を創ったりする細胞はあります。
でもそれ以上に擦れて挫滅していくような状況が変わらなければ、
痛みを起こしてでも、自分自身の体を守るほかないのです。
筋肉を動かすための運動神経についてはよく言われていますが、
筋肉の中には、感覚神経の末端もあり、あらゆる筋肉の状況を検知して、脊髄や脳で危険を回避するための行動を起こします。
動かすのが先ではなく感じてから動かすというのが、体の機能です。
例えば「蚊」にさされた時、かゆいと感じ「蚊」を叩きに行ったり、刺されたところを搔いたりします。
かゆみを感じる神経はないのですが、蚊に刺され蚊の毒により炎症して腫れ、その圧迫などにより感覚神経が刺激を受け、
脊髄へ情報が送られすぐに運動神経へ伝達が起こり筋肉を動かして叩くという回路と、
脊髄から脳へと情報が渡り脳内で判断して次の動きを考え叩いたり掻いたりする回路が瞬時に行われます。
歩くときもいろいろな反応が筋肉から、脊髄、脳へと譲歩が伝播するのですが、
膝の傾きがあったりすると、正常時とは違った傾きの計算などがおこり、痛くない使い方をして今まで通りの行動をとるようになることで、
運動関連の神経システムに負荷がかかり、神経システム上のトラブルから痛みを起こすことがあります。
この場合後転的なジストロフィーと名がつくことがあります。
早めに対処していけば療養期間も短くて済みます。
一日でも悩む時間は短めに、一日でも早い来院をお待ちしています。